【監督】アンソニー・アスコット
【脚本】ディヴィット・パーカー・ジュニア
【キャスト】ネルソン・デ・ラ・ロッサ/ディヴィット・ワーペック/ジャネット・アグレン/エヴァ・グリマルディ/リザ・メイン
【販売元】アルバトロス株式会社
【時間】85分
【値段】15800円
「狂気の水先案内人現る!!!」
人間のイマジネーションは、今まで数々の恐ろしい怪物を次々と生み出し、我々映画ファンを恐怖のどん底にたたき落とすと同時に楽しませてくれた。特にここ最近のCGの技術は、想像を絶する凄まじい異形のモンスターを自由自在に出現させている。確かに「シンドバット七回目の航海」や「アルゴ探検隊」のハリー・ハウゼンによるダイナメーション(人形アニメ)によるクリーチャーたちも、今ではのどかささえ感じさせるもののまさにファンタスティックなソウルを永遠に持ち続けているし、バート・エ・ゴードンの“ただ本物の昆虫や動物のミニチュアを絡めただけ”のモンスター映画のチープなばかばかしさも素晴らしい。今年公開された「スターシップ・トゥルーパーズ」の残虐昆虫軍団のリアリズムは、迫力の点においてまさに映画で表現できる最大限の恐怖を演出したと言えよう。しかし、そんな最新のCGでも勝てないものがある。それは本物の恐ろしい生物を出してしまう事である。CGというニセモノの“恐怖”が幅をきかす今、禁じ手とも呼べる最新兵器が遂に日本でそのベールを脱ぐ!!一部のマニアでのみ知られていた伝説の映画「ラットマン」の登場だ!!!無論「ゲゲゲの鬼太郎」のねずみ男のような、薄汚いだけの男ではない。むしろ、もっと汚いドブネズミに限りなく近い実在の人物がこの作品の主役なのだ!しかも、ただズルくてバカなキャラクターであれば愛嬌があっていいのだが、こいつは極悪、凶暴極まりない、本物の変態の世界からやってきた男なのである!狂気という点ではレクター博士もカーツ大佐も裸足で逃げ、「エイリアン」よりも貪欲で残忍なそのグロテスクさは、見た者のトラウマになることを保証せざるを得ない。そしてこの作品を見ることはまさに「未知との遭遇」(第3種接近遭遇)として日本政府は“体験認定書”を発行すべきだ。そのくらい、これは世紀の大事件なのである。 映画評論家:中原昌也